アレクサンダーテクニークのレッスン

座る姿勢

こんにちは。
より自由な体、より自由な心を目指して、
いっしょに日常のさまざまな行動に目を向けてみましょう。

さて、私は普段、医師として医療に従事しています。
仕事中さまざまな姿勢をとることは、医師以外の職業でも一緒だと思います。

私の場合、外来での診察ではお話をするとき椅子に座っていますが、
患者様の体に触れて診察するときは立ち上がって診察しますし、
手術などでは中腰で手を動かしたり、また足元の装置を動かすために
足を動かして数種類のスイッチを踏み分けたりします。

その中でも「座る」という行動については、
考えさせられることが多いように感じています。

えっ?座るだけでしょ?そんな簡単なこと、考えることなんてないですよね?
そんなみなさんの声が多数、聞こえてきそうですね。

たしかに座るなんて行為はとても単純な行動です。
子供でも座るという行動はとれますし、
私自身、実際いったいつから座るという行動を
当たり前のように行うようになったのか、まったく記憶にはないですね。

それほどまでに、私たちの中では慣れ親しんだ簡単な動作であり、
日常当たり前に行う行動の一つであると思います。

しかし、いざ座るという行動に注目してみると、
本当にさまざまな座り方があることに気が付きます。
今回は、性別による座り方の差について注目してみます。

まず注意点として述べますが、これから上げるような特徴が、
全ての男性や、全ての女性に当てはまると、そう申し上げているわけではない点を
ご理解くださいませ。

私の個人的な意見なのかもしれませんが、
多くの皆さんに当てはまることではないかとは思います。
単純に性別で分けるということで気分を悪くさせてしまうようなことが
ありましたら、申し訳ないです。どうぞ聞き流してやってください。

まず男性の座り方について。
私は診療の中で、ほぼ必ず、まずは患者様が座った状態でお話を伺います。
多くの男性は比較的、大きく股を開いた状態で座っていることが多いように思います。
見ている人に、力強く見える印象を与えるため自然とそうするのでしょうか。
男性で股をピタッと閉じて座る方は少ないと思います。

ただ股を開く、つまり股関節を中間位とよばれる状態より過度に外転する姿勢では、
中殿筋などの股関節周りの筋肉を収縮させて維持し続けて座ることとなります。
この姿勢は、股関節周りに強い緊張を強いることなります。

踏ん張って座らないといけないような状況では、
(バランスボールのような不安定なもの等に座ったときなどでしょうか)
このような股を開いた座り方が、安定性をもたらすでしょう。

次に女性の座り方について。
男性に比較して、今度は反対に股を閉じた状態で座られる方が多い印象です。
私は男なので分からないこともありますが、文化的な要素も関係するのだと思います。
日本では、小さいころから家庭は学校などで、女性は両太ももをピタッと閉じた状態で座ることが、
女性らしい座り方であると、そう教育されているような印象があります。

太ももとピタッと閉じる、つまり両側の股関節を内転させる状態では、
太ももの内側にある内転筋群を収縮させていることなります。
このような座り方は礼儀正しく見える印象がありますよね。

例えばテレビの女性アナウンサーなど、他人に見られることを前提としている場合、
視聴している方に好印象を与えるには効果的な姿勢なのかもしれません。

さて、これらの男性と女性に特徴的な座り方のどちらがよい座り方だと思いますか?
結論からいうと、どちらも正しいだと思います。
どちらもその状況によってですが、妥当な座り方になりえるからです。

ただでさえ不安定なバランスボールにわざわざ股を閉じて座るのは、
不安定さを楽しむようなエクササイズ以外では、疲れてしまうだけですよね。
また、テレビの女性アナウンサーが股を開いて座っていたら、
気になってしまってニュースの内容などが頭に入って来なくなってしまうのは
きっと僕だけではないはずです。

どちらの座り方も、ある種の過緊張を伴っての座り方かもしれませんね。
それでも、その時の状況によって、
過緊張を必要とした座り方が適切であることはありえる、
そういうことだと思います。

ただ、いざ自宅に帰ってリラックスしていたいときに
ずっと大股をひらいたままリビングチェアに座っていたり、
誰の目も気にする必要がないのに股をピタッと閉じて座っていては、
それこそ日常、疲れてしまいますよね。

問題は、自分がどう座っているか、どう座りたいかということに意識が向かず、
どんな状況でも、いつも同じように大股を開いて座っていたり、
あるいは股をピタッと閉じて座っていたりすることなのだと思います。

状況に応じて座り方を選ぼう!
つまりはそういうことですね。

さて今回は、座るという慣れ親しんだ習慣を見直してみました。
座るという当たり前の動作を状況に応じて使い分けてみましょう。

より自由な体、自由な心を目指して心がけましょう!
今回は以上になります。ありがとうございました。
これからも応援よろしくお願いいたします!!

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