アレクサンダーテクニークのレッスン

モニター

毎日の仕事でパソコンやスマホ画面ばかりのぞいて、気が付いたら体のあちこちが
痛くなる。そんな経験ってありませんか?

さて、今回のテーマは視覚です。
特にモニターに焦点をあててみようと思います。
パソコンなんかの液晶画面ってやつですね。

現代社会に生きる我々にとって、パソコンやスマホは必須アイテムになりつつあると思います。
生活のなかで、仕事はもちろん、プライベートでもモニターを覗いている時間は増えてきています。
一方で、パソコン作業やスマホの多様によって肩こりや腰痛が起こったと言って病院を受診する人も
たくさんいらっしゃいます。VDT(Visual Display Terminal)症候群といって、パソコンなどのモニターを
みながらキーボードなどを操作する人に起こる、肩こりや腰痛、目のつらさなど多彩な症状を言います。

では、パソコン作業をやめたらいいのか、スマホを捨てたらいいのかというと、
そんなわけにもいかないですよね。
要はどうやって使っていくかってことなんだと思います。

最適な画面の見方ってどんなものでしょうか?
ついつい低い画面に合わせて背中を丸めたりなんかして、無理な姿勢を長時間続けてしまって
あちこち疲れてしまってませんか?
モニター画面にばかり集中して体をおろそかにしてしまうと、
次第に疲労し、結果的に仕事効率も悪くなってしまいます。
仕事が終わったあとにも疲労が大きくなって、後の生活にも支障をきたしがちです。

ほんの少しの間をとってみましょう。
空間的な意味もありますが、ここでは心理的な意味も含まれます。
忙しい業務のなか、自分の使い方に目を向けて習慣の連鎖を打ち切って、新しい使い方を
模索するのはチャレンジングではあります。
ほんの小さな間を設けることで、何か少しでも使い方が改善したら儲けものです。


モニター画面の見方を工夫する現実的な選択肢としては、以下のようなものがあるかと思います。

①まずはモニター画面の方向を変えることができますね。
やってみると気が付くことですが、実に多くのパソコン液晶画面には画面の向きを変える機能が
ついています。ほんの少しモニター画面の向きを調整することで、自分が同じ位置にいても
ずいぶん見やすくなることがあります。
②同じようなことですが、状況が許せばパソコンそのものがある台の高さ、
自分が座っている椅子の高さを変えることも有効でしょう。
③そしてこれがもっとも重要なことですが、自分自身のモニター画面の向き合い方を
変えることもできますね。

③を詳しくみてみたいと思います。
自分のモニター画面への向き合い方なんて、そんなに変えられるかなって?
読者のみなさんに疑問をもたれてしまいそうですよね。
ただ、実際にいろいろ工夫を繰り返してみると、モニターへの向き合い方ひとつとっても
自分には様々な習慣があることに気が付きます。
特に気を付けてみると多くの発見があることは、目、そのものです。
みなさん自分の目の習慣って考えてみたことありますか?
正直かなりマニアックに聞こえてしまうのでしょうか(笑)。

目の習慣というと、なんだか分かりにくいと思いますが、
ここでの話は目の向きのことです。
目の向きというのは眼球に付着している筋肉で調整されています。
手足の位置と同様、目も筋肉で動いている以上、自分の意志で
その動きをコントロールすることができます。
たた、普段、目の向きを意識下に調整する機会って少なくないでしょうか?
身体トレーニングブーム下にある今でも、目の筋肉の話はさほど聞かない印象です。
(すでにそんなこと学習済みだよっていう方、すみません、ご容赦ください)

目の向きにも癖があります。
お顔の向けたい方向と、それに対して眼球を向ける方向の関係性に目を向けると
分かりやすいと思います。
この方向を向いているほうが、自分にとってはより正面らしく、自然な感覚が持てる。
この方向の方が目の緊張感がなく、つかれにくいなど。
意識はしないけど、普段と違うことをやってみるとすぐに自分の傾向に気が付けます。

例えば、他人に気が付かれない程度でよいので、いつもより鼻先をほんの少し下げて
お顔の向きを変えてみましょう。必然的に視線は少し上向きになると思います。
その時、ほんのわずかに、眼球についた筋肉に緊張感を感じると思います。
この時の、慣れない感覚がポイントです。

ここでの注意点は、上向きの視線が正しいと言っているわけではないという点です。
今回あえて鼻先を少しさげてみる一つのチャレンジを取りあげているだけです。
なので、なかなか慣れない感覚を体感しづらければそのほかの方法でも大丈夫です。


さて、話を戻しますが、慣れないという理由だけで、この新しい顔の向きを否定してしまうには
もったいないです。この新しい感覚をつかって、そのままパソコン作業にも
取り組んでみましょう。目のほんのわずかな感覚の違いは、その他の体の部位に
大きな影響を及ぼします。

体の感覚としては違和感があったとしても、
もしかするといつもより効率のより作業ができるかもしれませんよ。
もし違和感が強すぎて作業ができないなんてことがあったとしても、
体に新しい使い方のバリエーションが記憶されるので、
全体としては選択肢が広がり、新しい選択肢はその後にも生きてきます。

何よりちょっとしたチャレンジです。
失敗したとしても、失うものも少ないですしね。
(いきなり危険が伴う状況でトライするのはおすすめはしません)
視覚については、その他いろいろな観点から工夫できますよ。
自分でもトライしてみましょう。

毎日きっと何かしら見るはずのモニター画面です。
一日の間に何回も訪れる瞬間瞬間を、その都度工夫してよりよくしていきましょう。



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